コーヒーを飲む「時間帯」で健康効果が変わる?朝にコーヒーを飲む人ほど死亡リスクが低い傾向

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コーヒーは、世界中で広く愛されている飲み物のひとつです。
「朝の目覚ましに一杯」「仕事の合間にもう一杯」そんなコーヒー習慣を持つ人も多いでしょう。
これまでの研究でも、コーヒー摂取と健康との関連が広く調べられてきましたが、その多くは「どのくらいの量を飲むか」に焦点が当てられていました。

一方で近年は、コーヒーを飲む時間帯が健康にどのように関わるのかという、新しい視点への関心が高まりつつあります。

今回紹介する研究は、アメリカの大規模健康・栄養調査データ(NHANES)を用いて、約4万人の成人を長期間追跡し、コーヒーを飲む時間帯と死亡リスクの関連を分析したものです。
飲む量ではなく「飲むタイミング」に注目した研究は多くなく、こうしたアプローチはコーヒー研究における新たな視点といえます。

この研究を通じて、午前中にコーヒーを飲む人ほど死亡リスクが低い傾向が見られた一方で、夕方以降に飲む場合はその関連が弱いことが示されました。

Coffee drinking timing and mortality in US adults
(PubMed Central掲載論文)

本記事では、この研究の内容に沿って、「コーヒーを飲む時間帯」と死亡リスクの関連をわかりやすく解説します。毎日の一杯に、新しい視点を加えるヒントになるかもしれません。

研究の概要

今回紹介する研究は、アメリカの大規模調査NHANES(1999〜2018年)に参加した成人40,725人を対象に、コーヒーを飲む「時間帯のパターン」と、その後の死亡(全死亡・心血管死亡・がん死亡)との関連を調べた観察研究です。追跡期間の中央値は9.8年でした。

研究では、24時間の食事調査データ(2日分)からコーヒーを飲んだ時刻を、午前(4:00〜11:59)、午後(12:00〜16:59)、夕方以降(17:00〜翌3:59)に分類し、コーヒーを飲む時間帯の偏りをもとに解析しています。

その結果、コーヒーを飲むタイミングには大きく2つのパターン(午前型と終日型)が見いだされ、別の集団(1,463人の7日間食事記録)でもこの2つのパターンが再現されるかを確認しています。

この研究は観察研究であり、因果関係を断定するものではありません。しかし、どの時間帯にコーヒーを飲むかという日常的な選択が、私たちの健康にどのように関わるかを考える上で、興味深い示唆を与えてくれます。

午前中にコーヒーを飲む人ほど、死亡リスクが低い傾向

この研究で注目されたのは、コーヒーを飲む時間帯が午前中に偏る「午前型」と、一日を通して飲む「終日型」に分かれた点です。

解析の結果、非飲用者と比べて、コーヒーを主に午前中に飲む「午前型」は全死亡リスクが低い傾向が示されました。一方で、一日を通してコーヒーを飲む「終日型」は全死亡リスクとの有意な関連は見られませんでした。

死因別では、主に午前中にコーヒーを飲む人たちは心血管疾患による死亡リスクが低い関連が見られた一方で、がん死亡では明確な関連は示されませんでした。

同じ量のコーヒーでも、どのタイミングで飲むかによって効果が変わる可能性

研究では、コーヒーの摂取量と死亡リスクの関係が、飲む時間帯パターンによって違う可能性も検討されています。具体的には、コーヒー摂取量と全死亡リスクの関連は、午前中に主にコーヒーを飲む午前型では見られた一方で、一日を通して飲む終日型では明確ではありませんでした。

この結果は、同じ量のコーヒーでも、午前中に主に飲む方が死亡リスクの低下につながる可能性が示唆されています。

コーヒーを飲むタイミングにも、少しだけ目を向けてみては

今回紹介した研究では、コーヒーを飲む量ではなくコーヒーを飲む時間帯に注目し、日常的なコーヒー習慣とその後の健康との関係が調べられました。その結果、午前中にコーヒーを飲む人は、飲まない人や午後以降に飲む人に比べて、死亡リスクが低い傾向が見られました。

この研究だけで、コーヒーを飲む時間が直接的に健康に影響を与えると明言することはできません。そもそも、午前中にコーヒーを飲む人は健康的なライフスタイルを送っている人が多いという可能性なども考えられます。
しかし、数万人規模のデータから見えてきたこうした特徴は、普段のコーヒーの楽しみ方を考える上で、ひとつの参考になるかもしれません。毎朝の一杯を大切にすることが、結果的に望ましい方向へ働く可能性があるという点は、多くの人にとって興味深い視点ではないでしょうか。

もちろん、生活リズムや体質によってコーヒーとの付き合い方は人それぞれです。今回の研究が示すのは、あくまで「こうした傾向が見られた」というデータです。無理に習慣を変える必要はありませんが、自分にとって心地よい形でコーヒーを楽しみながら、こうした科学的知見を生活に活かしていくことができれば、より豊かな日常につながるかもしれません。

近年、コーヒーと健康やアンチエイジングに関する研究は盛んに進められています。
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