断続的断食で体重と脂肪はどれくらい減る?人を対象とした研究からわかること

intermittent-fasting_001

断続的断食(インターミッテントファスティング)は、食べる内容だけでなく「食べない時間」を意識して食事のリズムを組み立てる方法です。断続的断食は近年注目が高まる一方で、情報の種類や数が多く、「どういったやり方があるのか」「体重や脂肪はどのくらい変わりうるのか」「血糖や血圧、脂質にも変化はあるのか」といったことをあらためて整理して知りたいという方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、1872年創刊で南米でも最も歴史のある医学雑誌の一つとされ、PubMed/MEDLINEやScopusにも収載されている「Revista Médica de Chile」に掲載されたレビュー論文をもとに解説します。この論文では、PubMed/MEDLINE、Scopus、Google Scholarで文献検索を行い、2000年1月〜2021年6月に発表された「人」を対象とする研究を中心に整理しています。

Intermittent fasting and human metabolic health(PubMed)
論文全文はこちら(SciELO)

そのうえで、隔日断食、修正版の隔日断食(週1〜2日など大きく食事量を減らす日を作る方法)、時間制限食(食べる時間帯を絞る方法)の3タイプを分けて、特に「体重」と「脂肪」を軸に、血糖(インスリンなどを含む)、血圧、脂質の4つの指標について、研究で報告されている変化をわかりやすくまとめます。

断続的断食は大きく3つのタイプに分かれる

断続的断食にはいくつかのやり方があり、同じ名前で語られていても中身が違うことがあります。今回のレビュー論文では、断続的断食を大きく3つのタイプに分けて整理しています。ここを最初に押さえることで、後で出てくる「体重や脂肪」「血糖」「血圧」「脂質」の話も理解しやすくなります。

1つ目は「隔日断食」です。隔日断食は、食べない日(あるいはほとんど食べない日)と、通常どおり食べる日を交互に設ける方法で、食事のリズムそのものが日ごとに大きく変わるのが特徴です。

2つ目は「修正版の隔日断食」です。修正版の隔日断食は、隔日断食ほど厳密に交互にするのではなく、週のうち1〜2日など、食事量を大きく減らす日を作る方法です。生活の中に組み込みやすい形で研究されることがある一方で、どの程度減らすかなどの設計は研究によって異なります。

3つ目は「時間制限食」です。時間制限食は、1日のうち食べる時間帯を8〜12時間などに絞り、それ以外の時間は食べない(またはカロリー摂取をしない)方法です。近年話題を集める16時間ダイエット(16時間断食)もこの方法に該当します。同じ時間制限食でも、食べる時間帯の長さや設定の仕方が研究によって異なる点は、頭の片隅に置いておくとよいでしょう。

続いては、この3タイプそれぞれについて、まず多くの人が気にする「体重」と「脂肪」がどう変わると報告されているかを論文の内容に沿って確認していきます。

断続的断食で、体重と脂肪が減ったという報告

この論文では、断続的断食の効果のなかでも、特に「体重」と「体脂肪(脂肪量や内臓脂肪など)」がどう変化したかが、人の研究をもとに整理されています。結論を先に言うと、隔日断食、修正版の隔日断食、時間制限食のいずれでも、体重が減ったり、脂肪が減ったりしたとする研究が報告されています。

隔日断食は体重が大きく減少。長期比較では通常のカロリー制限と同程度

肥満の人を対象に12か月追跡した研究では、隔日断食(食べない日と食べる日を交互にする方法)と、毎日一定量を減らす食事(継続的なカロリー制限)を比べたところ、どちらも体重が同程度に大きく減少しました。平均的な体重の減少量は、隔日断食+カロリー制限のグループで約10.7kg、継続的なカロリー制限のグループで約11.2kgの減少が報告されています。

修正版の隔日断食は「週に1〜2日、食事量を大きく減らす」形で、短期間でも減量が報告されている

修正版の隔日断食は、週に1〜2日など「食事量を大きく減らす日」を作る方法です。この論文では、1日の必要量の25%未満などの形で定義されています。

修正版の隔日断食でも、8週間の研究で体重が減ったという報告があり、同じ研究で継続的な食事制限と比べた場合、より減少幅が大きかった例も紹介されています。具体的には、修正版の隔日断食のグループで約4.1kg、継続的なカロリー制限のグループで約1.7kgの減少が見られました。

また別の研究では、継続的な食事制限と修正版の隔日断食(運動を組み合わせたグループを含む)で、いずれも体重が減ったことが報告されています。

時間制限食は「食べる時間を狭める」だけでも、体重と脂肪が減った報告がある

時間制限食は、食べる時間帯を8〜12時間などに絞る方法です。いわゆる16時間ダイエット(16時間断食)もこの方法に含まれ、食べる時間帯を8時間に制限したものが16時間ダイエット(16時間断食)です。

時間制限食でも、過体重・肥満の成人を対象に12週間行った研究で、体重が約3.7%減り、あわせて「脂肪量(全体の脂肪や内臓脂肪)」が減ったとする報告が紹介されています。

ただし留意事項として、時間制限食は研究の設計が幅広く、参加人数が少ない研究や短期間の研究も多い点がこの論文内で触れられています。

なお、断続的断食とカロリー制限の体重・体脂肪減少について比較した論文の解説記事もありますので、よろしければ併せてご参照ください。

断続的断食は毎日のカロリー制限より痩せる?研究レビューで見えた体重と体脂肪への影響

続いては、体重や脂肪の変化とあわせて気にする人が多い、血糖やインスリンなどの糖に関する指標が人の研究でどう報告されているかを整理します。

  • Pages:
  • 1
  • 2